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「沈まぬ太陽」を巡って

他のネタが多かったので、ついレビューが遅れましたが、「沈まぬ太陽」を観てきました。

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かなり綿密に練られた物語で、作品としては一級のものだと思います。

といいつつ、ちょっと作品から離れて、周辺からアプローチしたいと思います。

本作品は、説明するまでもなく、山崎豊子の同名の「小説」の映画化です。
いくらフィクションと断ったところで、JALの一連の不祥事が下敷きとなっています。
(というよりは、事件に肉付けをして小説化しているという方が近いも)

私は原作は読んでいません。
長いから・・・というのもありますが、意図的にこの手の作品は避けているというのもあります。
理由としては、事実を見る目がゆがんでしまう可能性が高いからです。
同じ理由で、私はあまり歴史小説は読みません。
まあ、フィクションと割り切ればいいのですが、話が良くできていればできているほど、事実と混同してしまうんですよね。

映画を観ていても、社名やロゴマークからしてJALを連想するようにできています。

JALが現在のような状況(経営難)になったから、はじめてこの作品を世に問えるようになったのだろうか・・・
と思わず邪推してしまいました。

ちなみに、福田和也(文芸評論家)によると、山崎豊子の原作は、細部まで見事に描き切っている半面、人物造形が善玉と悪玉に明確に分かれていて単純化しすぎている・・・ということでした。
映画においても、この批評は当てはまっていると思いますね。

正直、私もただのしがないサラリーマンですから、信念を通し続けた主人公の恩地(渡邊謙)よりも、自己保身に走ったり、出世のために仲間を裏切ったりする脇役(悪役)の方にシンパシーを感じてしまうところも無きにしも非ず・・・

それはさておき。
主人公の恩地元には、モデルがいるそうで、実在の日本航空元社員・小倉寛太郎さんなのだそうです。
肩書だけ見ると、主人公そのものですね・・・
ナイロビに左遷されて不遇の会社人生を送ったみたいですが、ケニヤの自然を愛して、定年後はアフリカ研究家、動物写真家、随筆家として活躍し、「サバンナクラブ」とか立ち上げたみたいですから、結局はアフリカの大地に馴染んでいたんでしょうね。

「左遷」と「家族」いう枠を取っ払えば、「いろんな僻地に住めて楽しそうだな」と思うところも無きにしも非ず・・・

それはさておき。
やっぱり、この作品は「事実」とは言い難いようで、本作品で「悪玉」にされた人は、抗議したりしているようですね・・・

JALが異議を唱えると、逆に世間からバッシングされ・・・みたいな状況もあるようです。
事故をはじめとして、JALの企業体質が招いた悪影響はありますが、事実以上の濡れ衣を着せられてしまうのは可哀想な気もします。

「作品は作品として楽しみましょうよ」と言いたいですが、この作品のメッセージ自体が、航空会社の企業体質と安全対策の怠りを告発するものなので、そうとも言えない。

やっぱり、「事実を元にした作品」というのは、見るスタンスが難しいですね・・・

次回は、作品のことをちゃんと書きたいと思います。
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