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『沈まぬ太陽』のレビューと見せかけた雑談

さて、作品の話。

この作品は御巣鷹山の墜落事故の物語だと思ってたのですが、必ずしもそうでなかったんですね。
事故は、主要なエピソードですが、あくまでも主題は企業内の紛争にあり、事故はそれがもたらした一つの結果として描かれています。

労使間の闘争、その結果としての左遷・不当人事、飛行機事故の発生と事後処理・補償問題、企業の内紛、官僚や政治家の権力闘争・・・様々な要素が詰まってます。

原作者の山崎豊子さんは、映画化に際して、小説の全ての要素を盛り込むように要請したそうですね。

3時間20分という長さも、あまり冗長には感じません。

あまりにも飛行機事故のインパクトが強いため、それに引っ張られがちですが、主体として描かれているのは、あくまでも(ドロドロした)人間関係ですね。

多分、15年前(学生時代)に見ると、全く違った印象を受けたと思います。
主人公に感情移入して、「自分もかくありたいものだ」「大人(会社員・政治家・官僚)の世界は醜いなあ」みたいな印象を持ったと思います。

昨日もちょっと書きましたが、登場人物の行動原理は(「悪役」も含めて)とても理解できます。

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むしろ、主人公の渡邊謙演じる恩地元の気持ちが一番分からない。
現実にはこういう人ってあまり(ほとんど?)いないですからね・・・
まあ、だからこそ感動できる部分があるわけで・・・

最後に、「現実」の話題を。
現実を考えると、この作品に描かれていることは、現代に通用する点と、通用しない点が明確にありますね。

JAL労働組合の存在は、安全確保に必ずしも貢献しているとは言い難いですね。むしろ、害悪の方が大きい。
一方、現在の航空業界はLCC(格安航空会社)が多数参入して、熾烈な価格競争が起こっています。誰でも飛行機に乗れるようになった半面、安全性の問題はちゃんと考えられているのか・・・という懸念があります。
(必ずしも、LCCの方が事故が多いというわけではないようですが)

誰もはっきりとは言いませんが、人の命なんて、本当はそれほど大切ではないんですよね。
本当に大切ならば、何も言わなくてもみんな大切にするはず。
「人の命は大切だ!」と声高に叫ばれるのは、そう言って人々を洗脳しないと、疎かにされるからです。

筒井康隆が「鉄の塊が空を飛ぶ方がおかしいんだ。飛行機は落ちて当たり前だ」みたいな無茶苦茶な(?)ことを書いてましたが、たしかに「一日何百便、何千便と飛んでるんだから、一機くらい落ちても不思議はない」という考え方も成り立たなくないわけで・・・

でも、あえてそれを言わないからこそ、人間としての営みが成立するわけで・・・・・・

嗚呼、落とし所が見つからなくなってしまった。。。

では、本日はこの辺で!

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