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風景の価値

週末は、「青春18きっぷ」で宮城県に行ってきました。

実は、10年ほど前にも宮城に行ったことがあり、松島にも行ったはずなのですが、不思議なことに「行った」という記憶、そして「天気があまり良くなかった」という記憶があるだけで、印象が全く残っていないのです。
松島は日本三景に選ばれており、景勝地として知られているにも関わらず・・・
今回、再確認の意味も込めて改めて行ってきました。

さて、行きの列車の中で『街道をゆく 奥州白河・会津のみち』(司馬遼太郎)、『おくの細道』(松尾芭蕉)を続けて読みました。

『街道をゆく 奥州白河・会津のみち』の書き出しにはこうあります。
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平安朝の貴族・文人が、奥州 ― みちのおく・陸奥・おく ― 対していかにあこがれたかを理解せねば、かれらの詩的気分が十分にわかったとはいえない。
たとえば、「宮城野」ときくだけで、秋草の野をおもい、萩咲きこぼれるあわれさを思い、さらにははるかに野を吹きわたる陸奥の風をおもうのである。
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時代は下り、元禄時代に入っても基本は変わっていないことは、『おくの細道』の有名な冒頭文からも窺えます。

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白川の関こえんと、そヾろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて取もの手につかず、もゝ引の破をつヾり、笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより、松島の月先心にかゝりて、、、、<後略>
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さて、話を戻して松島です。

今回は、塩竈(しおがま)から松島海岸行きのフェリーに乗り、松島海岸からゆかりの地を巡り、最後に徒歩で片道約2キロ歩いて、松島四大観のひとつ「扇谷」まで行きました。

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 <松島 扇谷からの眺め>

前回は松島海岸からの風景しか見ず、しかも天気も悪く、そのまま素通りしてしまったために、印象が残らなかったのではないかと思います。
松島は見る場所によって多様な景観を呈し、いろいろと回ってみて、はじめて面白い場所だとわかりました。

しかし、それでも松島が「日本三景」と呼ばれるに値するのかというと、少しばかり疑問も感じます。
例えば、同様の風景では、奄美大島大島海峡から加計呂麻(かけろま)島を望む風景の方が素晴らしいと思います。

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 <奄美大島 大島海峡からの眺め>

現在の東北観光は、良くも悪くも、松尾芭蕉という昔の偉人によって大きく方向づけられているように思えます。

東北地方には「芭蕉ゆかりの地」がたくさん存在し、観光地として宣伝されています。
芭蕉が「行脚の一徳、存命の悦び、羇旅の労をわすれて泪も落るばかり也」と書いている多賀城碑にも今回行ってみましたが、普通に観光をする限りはそれほど面白い場所ではありません。

芭蕉の時代と比べて、日本は地理的には広く、心理的には狭くなっています。
しかも、いまの日本人は日本のみならず世界中を巡り、さまざまなものを見聞きしています。

現代人が、芭蕉と同じ感覚をもって日本を旅し、同じ感動を味合うことはもはや難しくなっているように感じました。

逆に、その地がどのようなゆかりを持っているのか、いにしえ人たちがその地にどういう思いを抱いて旅をしていたのか。
そんなことを知っておくと、受ける印象も大きく変わってくると思います。

そんな「旅の技術」も大切ではないかと思います。
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